言いたいことは山のごとし(^^)

変NEW日記

法学編入やライフハック備忘録

学生が不動産屋と解約日を巡ってバトルした話

 

こんにちは。

 

不動産屋と解約日を巡って軽くバトったのでお話ししたいと思います。

 

今住んでいる物件が2年契約で更新料をとる契約でした。更新日がちょうど今の大学を退学する時期だったので更新せずに引き払いたいと考えました。

 

更新日の2ヶ月前に不動産屋の本社から更新案内ハガキというものが届き契約更新の意思を問われました。当然「更新しない」に丸をつけて返送。後日電話が掛かってきましたが出れませんでした。

 

その葉書には「更新しない場合は担当店に別途連絡をお願いします」と書かれてあったので更新日の5週間前に担当店に電話しました。

解約の書類を送るのでそれにサインして送り返してほしいとのこと。

 

書類到着。2月12日が契約終了日で11日に引っ越す予定でした。ぼくはケチなので1日分の賃料すら惜しい。日割り可だったので11日に解約することに。サインして1月9日に返送。

 

バトルの幕開け

 

1月14日に着電

「もしもし、〇〇不動産です」

「どうもお世話になっております」

「解約の書類届きました。1ヶ月後の2月14日に解約となります。契約書にある通り更新料が発生します

「ちょっと待って下さい、今日届いたんですか?」

「今日届きました」

「9日に送ったのですが」

「今日届きました」

 

ファーーーーーーーwwwww

意思表示の効果は相手方に到達してから有効となるので14日に解約通知書が届いたとなると、更新料が発生してしまいます。

民法第97条(意思表示の効力発生時期等)

1 意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。

しかし意思表示は書面ではなく口頭でも有効です。事前に解約したいと電話したのでOKかとおもいきや契約書には「1.解約の申し入れは書面の到達をもって有効とする」「2.借主は貸主に対し一ヶ月前に解約の申し入れを行う事により、本契約を解除できる」とあります。

負けです。しかしドケチのぼくはここでみすみす大金を諦めません。

ぼくは中国で学んだのです。ルール、法律よりも交渉力の方が重要なのだと。

(注:中国留学していたとき、日本では全く問題ない行為により一発で寮則の重大違反になってしまい退寮処分を受けてしまったが、インターン先の弁護士に交渉してもらって処分を取り消してもらった事がある。…これは後で記事にしよう。)

 

電話は続きます。

「今日届いたのですか?(9日に出したのに今日届くのはおかしいだろ…)」

「今日届きました」

「そうですか。しかし更新料を払う気はありません

「え…(面食らう不動産屋)」

「解約日は11日ではなく契約終了日の12日でいいので。穏便に済ませましょうよ」

「上のものと相談して折返し連絡します」

ガチャ。

 

ここで「筆者頭おかしいな?更新料を求めて訴えられたらどうするんだよ…」と思った貴方、甘いです。

99.99%訴えられません。

たかが数万円で訴える不動産業者はいません。

 

契約書の精査

 

しかしそうは言っても相手が上司と相談した結果、やはり契約更新料をこちらに請求した場合の対策を考えておく必要があります。

契約書を今一度見直して穴があるかどうか調べることにしました。

 

まず、更新料についての規定です。

契約書に書いたからって勝手に更新料を徴収していいのでしょうか?

調べていると更新料支払特約を無効とする判例があることを見つけました。

今回のように解約通知が遅れて契約が自動更新されること、即ち法定更新*1の場合は更新料を支払わなくてもよい場合があるようです。それは法定更新のときも更新料を徴収すると契約書に書かれていない場合です。

 

契約書を確認してみると……

「更新する場合、更新料として新家賃の1ヶ月分を支払う。*法定更新時も同様とする

アウト。

 

対策その1

 

しかし私は千葉の孔明(自称)、ここでひらめきます。

更新日2ヶ月前に出した更新案内ハガキ、これを解約の申し入れと主張するのです。

「1.解約の申し入れは書面の到達をもって有効とする」

「2.借主は貸主に対し一ヶ月前に解約の申し入れを行う事により、本契約を解除できる」

このハガキでは契約更新しないに丸をつけているので解約の意思表示として十分です。

2ヶ月前に出したので当然更新日の1ヶ月前に受け取っています

契約書では解約通知書の様式は規定されていません。よって不動産屋の指定した様式でなくても有効です。

 

対策その2

 

対策その1で万全のように見えます。しかし、ハガキを受け取った不動産屋の本社と担当店が結託してそんなハガキは受け取っていないと主張されるとジ・エンド。

 

否定された場合の対策を考えます。

 

以下の契約書の但書を見つけました。

12条2項但書「但し借主は解約申入れの日から1ヶ月の賃料等を支払うことにより解約申入れ日から起算して1ヶ月を経過するまでの間、随時本契約を解除することができる。」

この但書を使えば2月12日が契約終了日、1月14日に解約の申し入れがあったとしても、2月13,14日の2日分の賃料を余分に支払うだけで済みます

 

バトル終了

 

これで完全理論武装完了です。あとは不動産屋から電話がかかってくるのを待ちます。

……

………

…………

3日経っても電話が来ません(怒)。上司と3日も何を相談しているのでしょうか?

待ちきれないのでこちらから電話します。

「あの、解約日の件ですが」

「ああ、オーナーさんとお話して12日で解約、更新料は頂かないことになりましたー。」

 

決まったならその時点で電話しろや

 

*1:借家契約において、借地借家法の定めに基づいて自動的に契約期間が更新されること。
借家契約においては、契約当事者が、一定期間前に、契約を更新しない旨または条件を変更しなければ契約更新しない旨の通知をしない場合には、従前の契約と同一の条件で契約を更新したとみなされるが、これが法定更新である。